【高校物理】水圧とは?浮力とつり合いとは?公式や計算問題の解き方のコツ


水圧とは

 

かの有名なパスカル(「人間は考える葦である」の名言を残した)の科学論文集に、圧力についての記述があります。

ハエを水を満たした注射器にとじこめて、力いっぱい圧力をかけてもハエはつぶれない。

ハエは何事もないかのように水のつまった試験管内部を歩き回り、開放してやると飛び去った。

ハエなどは指の軽い力で簡単につぶれてしまうのに、この実験ではハエはまるで力を感じていないかのようである。

水は流体であり、注射器内部でのハエにかかる圧力は全方向から均等にかかるため、ハエはつぶれることがないのです。

圧力と圧縮は違うのです。

ただ、圧力があまりにも高いとハエはやっぱりつぶれます。

 

図1

 図1

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水圧の大きさはどれくらいだろうか

 

あなたも水に10mもぐると、大気圧と合わせて約2気圧の圧力を受けることになります。

このとき、あなたの体には1cm²あたり実に、約 2 kgfの重さに匹敵する力が働きます。

手のひらの大きさをだいたい140 cm² とすると、10 m もぐったときの手のひら全体には280 kgf もの重さがかかることになります。

深海底6500 mでは、1cm² あたり651 kgf

手のひら全体では651×140 = 91140 kg ≒ 91 t (トン)もの重さがかかります。

日本の誇る深海探査艇の「しんかい」などでは、カップヌードルの空き容器を深海まで沈めて等方的に圧縮されたミニミニカップをお土産にして関係者に配布していたことがあります。

写真1

 

水圧のかかる方向は?

 

では圧力ではなぜ、このようにあらゆる方向から等方的に圧力がかかるのでしょうか?

レンガとピンポン玉のモデルで考えて見ましょう。

レンガを積んでおいて上から手で押します。

そうすると、レンガは横方向には力を伝達しないため、下へ下へと力を伝えていきます。

ピンポン玉ではどうでしょうか?

ピンポン玉は横方向へもずれるため力は拡散していきます。

水のような流体では構成する物質が自由に動けるため、このようなイメージで考えてもらえればよいと思います。

そのため、流体中では、あらゆる方向から等方的に圧力がかかるのです。
図2

   図2

一般に水圧は水の重さが原因ですから、図3のように深いほうが大きな圧力を発生することがわかります。

図中の は大きさが無視できると考えてください。

 

図3

図3

 

では、大きさの無視できない物体が水中(流体中)にあるときの物体の受ける水圧を考えましょう。

図4を見てください。

 

図4

図4

水中にある物体の上部と下部では深さが違うため、圧力によって受ける力に違いが生じます。

上面では小さく、下面では大きい力が働くことになります。

横方向の力は同じ水深の場合、常に同じ大きさのため相殺します。

このとき鉛直方向に受ける力の違いにより、この物体には上向きに働く力がのこることがわかります。

この力の差が浮力を生むのです。

浮力は物体の体積に関係しますが、物体の重さには無関係!なのです。

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水圧の計算について

 

いままでの知識を活かして、水圧の計算をして見ましょう。

 

図5

図5

ご存知のとおり、圧力Pとは、かかる力F、受ける面積Sとすると、

p=F/S

と示されます。

いま、水の密度 p、重力加速度 gとします。

前に述べたように水深が同じところでは、全方向から等しい力がかかるので、簡単のために鉛直下向きだけを考えます。

断面積Sで高さhの水の円柱を切り取って考えます。(ここでは、水圧なので大気による圧力は考えません。)

密度の意味、わかっていますか?

単位体積あたりの質量mのことですね。

体積Vで質量mのとき、

P=m/v

で示されます。

 

図5の水柱の底面での水の重Wさ(底面での力F)は、水柱の重さであるので、

W=F= mg

=pVg

m=pVなので

V=hsであることから、

F=phSg

と書くことができます。

圧力Pは

P=F/S

=phSg/S

=phg

より水深hでの水圧Pはp=phgとなります。

ただしあなたが水深hの位置で「感じる」圧力は、これに大気圧を足したものであることを忘れないでください。

 

最後に問題を考えましょう

 

図6において、上面と下面の圧力を計算し、働く力の差を計算しましょう。

この場合、下面から鉛直上方へ押し上げる力が鉛直下方向へ押し下げる力より大きいですね。この差が浮力なのです。

物体の体積をVとして、物体にかかっている浮力の式を導きましょう。

重力加速度の大きさを g とします。

図6

図6

答え

上面から受ける力F₀、水深h、物体の上面と下面の面積をSとした場合、F=PSより、

F₀=PS

=phgS

水深h’、下面の受ける力F’、として同様に、

F’=P’S

=ph’gS

また、F’>F です。

よって物体には鉛直上向きに

F’-F₀=ph’gS-phgS

=pgS(h’-h)

の力がかかります。

これが浮力として働きます。

ここで、S(h’-h)=Vであるので、

浮力Fは、

F=pVg

この式を見て何か気づきませんか?

そうですね、これは体積Vの水の重さです。

つまり、浮力は物体を水で置き換えたときの水の重さなのです!

また、浮力は物体の沈んでいる深さにも無関係です。

面白いですね。

 

まとめ

 

水圧は浮力を考える際の基礎になるものです。

しっかりと考え方を理解しましょう。

またこのような圧力は、流体中であればよいので、空気による圧力も当然考えることができます。

式も同じになります。

圧力の式を念仏のように覚えていた人はいませんか?

基礎を理解すれば応用が広がります。

難関大学で出される問題を解くにはこのような基礎理解を必要不可欠としていることを覚えておいてください。

浮力に関しての詳しいことはまたの機会に!


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