【高校生物】動物の行動をわかりやすくまとめて解説!生得的行動と習得的行動の違いや例、覚え方のコツ


【高校生物】動物の行動

高校生物で頻出の「動物」の解説と、効率的な暗記方法をお伝えします!
筆者

記事と筆者の信頼性

・難関大学に生物受験で合格した人が記事を執筆

・早稲田大学卒の予備校講師が、さらに分かりやすく編集

・編集者は予備校講師として、2,000人以上の受験生を指導

 

動物の行動は2つに分かれる

動物は身のまわりの環境に応答し、行動することによって生きています。

それらの行動の中には、遺伝的なプログラムによって決まっていて、学習をしなくても(親から教わったり、訓練したりしなくても)できる行動と、学習することによってできるようになる行動があります。

遺伝的に決められた、学習しなくても生じる生まれつきの行動生得的行動、逆に、学習することによって生じる行動習得的行動(学習)といいます。

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生得的行動の解説

 

かぎ刺激と固定的動作パターン

生得的行動の勉強をするに当たって、まず基本となるのがかぎ刺激固定的動作パターン

 

(1)かぎ刺激

かぎ刺激とは、特定の本能行動を引き起こさせる外界からの刺激のこと。

その代表的な例が、イトヨという魚の攻撃行動。

イトヨ

イトヨの雄は、繁殖期になると腹部が赤くなり、産卵のために雌を招待する縄張りを持つようになります。

この縄張りに、同じく腹部が赤くなった別の雄が侵入すると、縄張りの持ち主である雄は、侵入した他の雄を攻撃して、自分の縄張りから追い払います。

このとき侵入した雄の赤くなった腹部を目印に攻撃します。

繁殖期の雌は腹部が赤くならないので、卵を抱えた雌が縄張りに入ってきても攻撃することはありません。

産卵の場所のための縄張りですから、雌を攻撃してしまっては縄張りの意味がなくなってしまいますからね。

 

イトヨの攻撃行動のケースでは、「赤い腹部」がかぎ刺激といえます。

つまり「赤い腹部」が「攻撃」という行動を引き起こしているのです。

このように、動物の本能行動を引き起こさせる刺激のことを、かぎ刺激といいます。

 

(2)固定的動作パターン

固定的動作パターンとは、一連の行動が一定の順序で連鎖的に起こること

その代表的な例として、再びイトヨの繁殖行動を見てみましょう。

イトヨの行動は、次のように一定の順序で連鎖的に起こります。

 

卵でふくれた雌の腹部

ジグザグダンスをする

体を反らす

巣(縄張り)に雌を誘導する

雄について行く

巣の入り口を示す

巣に入る

雌の尾の付け根をつつく

卵を産む

巣にはいって精子をかける

 

赤色は雌青色は雄の行動です。

何か行動をきっかけ(=かぎ刺激)として、一連の行動が決められた順序で起こります。

このような一連の行動のパターンを、固定的動作パターンといいます。

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様々な生得的行動

イトヨの他には、どのような生得的行動があるのでしょうか?

具体例をいくつか見ていきましょう。

これから紹介する具体例を学ぶときには、先ほどポイントとして紹介したかぎ刺激固定的動作パターンに注目してみてくださいね!
筆者

 

(1)ミツバチダンス

ミツバチ

ミツバチはえさ場(蜜源)を見つけると、巣に帰ってその情報を仲間に伝えます。

えさ場が巣から近いときは円形ダンスで大まかに情報を伝え、遠いときは八の字ダンスによって距離や方角などの細かい情報まで伝えます。

ミツバチの行動

①えさ場を見つける

②ダンスをする

③他のハチが、触角で触れながら踊り手の後を追う
(花の香り、えさ場の距離や位置を感知)

④えさ場を探しに出る

ミツバチダンスの場合も1つ前の行動がかぎ刺激となって、次の行動につながっていきます(固定的動作パターン)。

このようにして、ミツバチは仲間同士でえさ場の情報を伝達し合っています。

 

コラム:昆虫の場合

昆虫の中にはミツバチやアリのように、社会性を持つ集団(コロニー)を形成するモノがあり、この集団内での情報伝達(コミュニケーション)が発達しています。

このような情報伝達の仕組みは、遺伝的にプログラムされた生得的行動です。

 

(2)定位

やどかりの定位

動物は食物や最適な環境を求めて移動します。

動物は環境中の刺激を目印にして方向を定めるのですが、これを定位といいます。

定位の具体例

・ミドリムシの光走性(正の光走性)

光を感知(かぎ刺激)→光に集まる

・ミミズの光走性(負の光走性)

光を感知(かぎ刺激)→光から遠ざかる

・渡り(太陽コンパス)

太陽の光を感知(かぎ刺激)→太陽の光が差す方向と逆に向く

外海からの刺激(かぎ刺激)を受け取って、その刺激の方向に向かう場合を正の走性、反対に向かう場合を負の走性といいます。

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生得的行動のポイント

生得的行動を学習するときのポイントは、繰り返しになりますが、かぎ刺激固定的動作パターンによって成り立つことを理解すること。

問題を解くときも、この2つのポイントがとても大切です。

例えば、ある生物の行動がどのようにして起こるかを考察する問題。

行動が起こるきっかけを調べるため、条件を少しずつ変えてその行動が起こるかどうか調べていく実験が提示されていて、「この行動はどのようにして起こると考えられるか」といった問題が出題されることがあります。

「生得的行動はかぎ刺激が存在し、一連の行動が決められた順序で起こっていくもの」と理解していれば、実験データからかぎ刺激を見つけ出し、どのように次の行動につながっていくのかを考え、正解が導き出せるはずです。

基礎的な内容は入試問題を解く土台になるので、しっかりと勉強しておきましょう!
筆者

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習得的行動の解説

 

習得的行動は4つに分類

 

(1)慣れ

慣れとは、繰り返される刺激に対して、感受性が低下すること

最も単純な学習行為で、無害な刺激に対して反応しなくなります。

代表的な例は、アメフラシのえら引っ込め反射です。

アメフラシ

アメフラシは、水管を触るとえらを引っ込めます。

しかしこれを繰り返し行うと、えらを引っ込めなくなるのです。

刺激が無害であると、感覚神経から放出される神経伝達物質が減少するためです。

 

(2)古典的条件付け

古典的条件付けとは、反射を引き起こす刺激(無条件刺激)が、元々は無関係だった刺激(条件刺激)と結びついて、条件刺激だけで反応が起こるようになることです。

代表的な例は、パブロフが行った犬の実験。

犬に肉を見せると、犬は無意識に唾液を分泌します(反射)。

ところが犬に肉を与えるときに、いつもベルをならすようにすると、やがて犬はベルの音を聞くだけで唾液を分泌するようになります。

パブロフの犬

このように、本来の刺激によって引き起こされる反応が、無関係だった刺激と結びついて起こるようになることを「古典的条件づけ」といいます。

 

(3)オペラント条件付け

オペラント条件付けとは、自分の行動と報酬や罰を結びつけることです。

動物のパフォーマンスのトレーニングなどを想像してみると、分かりやすいと思います。

トレーナーの支持する行動をすると、代わりに報酬が与えられるので、その行動を積極的にするようになるなど。

いわゆる「アメとムチ」ですね。

またこれは自然界でも役に立ちます。

例えば、ある行動をすると恐怖を感じたり、命が危険にさらされたりする場合、その行動は控えようとします。

 

(4)知能行動

知能行動とは、過去の似た経験と照らし合わせることで状況を判断し、未経験の課題を解決することです。

大脳の発達した人や猿で見られる、高度な学習といえます。

わかりやすくいえば、「工夫」することです。

 

習得的行動のポイント

習得的行動を学習するときのポイントは、経験を通して個体の行動がどのように変わったかに注目し、行動の変化の要因は何かを考えることです。

特に入試の問題では「慣れ」「古典的条件づけ」「オペラント条件付け」が頻出で、問題のテーマも教科書に載っているような分かりやすいものが多いです。

教科書や参考書の具体例をきちんと勉強して、「何が要因で、どのように行動が変化したのか」を理解することで、得点につながるでしょう。

そして具体例そのものを覚えるだけでなく、共通するプロセスやポイントを理解することも大切。

少し異なる具体例が出題されても、自分が覚えている具体例と照らし合わせて、正解を推測できるようになります。

 

動物の行動の解説まとめ

生得的行動は、かぎ刺激と固定的動作パターンによって成り立つことを理解する

習得的行動は、経験を通して個体の行動がどのように変わったかに注目し、行動の変化の要因は何かを考える。

これが基本です!

教科書や図表に載っている具体例はしっかりと覚えたうえで、入試で得点できるように理解を深めましょう。





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